ミドリマキバオー

部屋にミドリマキバオーうんこたれ蔵)のぬいぐるみがある。触ったり持ったりしたら物を言う。振動で喋るのだ。
言葉は4種類。「うんこ出ちゃうのねー」「負っけないのねー」「んあぁーーー」「ぽんぽんぽん」。最後の「ぽんぽんぽん」はうんこが出る音だ。
このアニメがテレビで放送されてたのは10年近く前で、ぬいぐるみもそれとほぼ同じ年数、部屋にいる。一度も電池交換していない。
振動といっても、センサーはそうとう敏感で、近くをちょっと派手に歩いたり、勢いよく寝転がったりしただけで反応する。だから、かなりの回数喋っている。
5、6年も経って「ええ加減、電池なくならんのか」とずっと思っていたがなくならない。多少うるさいくらい喋るので、なくなったら、電池換えんとこうと思っていた。
去年頃、そうとう喋りがスローモーになった。昔のB級怪奇映画で聞き覚えがあるような気味の悪い喋りようだ。やっと電池なくなるんやと思った。
それが今、明瞭な喋りように戻る。電池なくなったんちゃうんか。ほんなら、あのスローモーはなんやったんや。おまけに、前よりもよりいっそう敏感になっている。ホンマに何にもしてないときにも突然喋る。ドタンバタンも何にも、わたい、全然動いてないやん。夜中に喋ることもある。
うん、気色悪いかというと、それが全然そんなことはない。「お母ちゃん、おるんか」と一人、空(クウ)に声をかけてる。電池なくなったら換えようか。