おっさんはモーゼ?

落語会の帰り、ホームで電車を待っていた。横に簡易スロープを持って駅員さんが。
なんか知らんけど、酔っ払いのおっさんが駅員さんに文句を言っている。何を言ってるのか、はっきりわからん。雰囲気で、なんかわたいの苦情の代弁をしているようだ。今のわたいに苦情はない。
電車が来て、乗る。当然だが、おっさんも乗る。嫌な予感がする。おっさん、ある独り言を繰り返す。繰り返しながら、半径1mほどをふらつきながら歩き回る。「ほったらかしかよ、ほったらかしかよ・・・」
わたいが駅員にほったらかしにされてるらしい。わからん。駅員が簡易スロープ持って、いっしょに乗り込めばいいのか。わからん。
電車が動き出す。やっぱり、おっさんはわたいの横に立つ。ふらつきながら。わたいをガードしてるような気分なんだろう。何から? わからん。
ちょっとして、わたいの頭を撫で回す。おっさんをにらむと「大丈夫」??? 何が大丈夫なんだ? わからん。
それから何度か撫で回される。・・・わたいはビリケンさんか?
一年前の酔いどれレディが、このときほど恋しかったことはない。(酔いどれレディ事件をご存知ない方はご一報ください)
「早よ降りんかいっ!」心の中の叫びです。
甲子園の手前で「どこまで」と聞かれる。「まだです」 そんなもん、具体的に答えたらえらいことになるということは、去年の経験で知っている。しかも、去年と比較できないくらい、今回は最悪だ。おっさんはおっさんが嫌いだーーー!!
幸い、おっさんは甲子園で降りた。手を握って「がんばれよ」の言葉を残して、去っていった。
緊張の緩和だ。ホッと安堵したわたいは、ちょっとウトウトしたようだ。
気がつけば・・・、電車止まってるぅ。わたいが降りる駅や〜〜〜。慌てふためき飛び降りる。
そやけどさぁ、いつでもやったら降りる駅で簡易スロープ持って、駅員が待っててくれるねんで。そやから、仮に寝てても、駅員さんが起こしてくれるから、乗り過ごす心配はないのよ。時たま、手違いで待ってないことがあるけど、それが何で今日?
「ほったらかしかよ」の予言は当たっていた。