こっぱずかしやの

20日の土曜日、クラシックのコンサートに行く。趣味の幅は広い。痩身やが。
以前から懇意にさせてもらっているソプラノの先生から招待券が送られてきたから。10年程前、当時は障害者が通うデイサービスに週に1、2回通ってたんやが、そのデイサービスが先生から招待を受けたのが、お知り合いにさせてもらったきっかけ。
そのときはクラシックではなく、童謡の会やったと思う。先生はアマチュアの童謡コーラスの会の指導もなさってはるので、その関連のイベントやったんやろう。童謡の会やから聞くだけでなく、みんなで歌うコーナーもあった。子供の頃から、音楽の授業で、みんなで歌う場面など口パクが多かったわたいやが、そのときはせっかくお招きを受けたのだからと、けっこう張り切って歌ったのかもしれない。それが先生の印象に残ったのか。いや、デイサービスのメンバーには、わたいがどない血まなこで声振り絞って頑張っても到底太刀打ちできない個性派もいるので、滅多なことでわたいが目立つことなどありえない。そのあとも度々、先生がご出演してはるイベントに足を運んだが、その行動はわたいだけやったんかなぁ。よく覚えてないんやけど、交流が続いてるの、わたいだけやから、そうかもしれんなぁ。
クラシックコンサートといっても、カジュアルな雰囲気。小さい美術館でのサロンコンサート。器楽曲やら独唱やら。ジャズをよく聴くわたいやが、小編成の音楽を好むわたいとしては守備範囲。プログラムには好きなリュートの曲もあったし「戦場のピアニスト」のテーマ曲やニニ・ロッソの曲も。
先生の登場。この5年ほどお会いしていない。でも、全然お変わりない。初めてお会いしたときからも、変わらずお綺麗。失礼かもしれないけれど、少女のような無邪気な華やかさがおありだ。しなやかで味わいの深い歌声に、10年前にタイムスリップさせてもらった。
チケットは2枚送られてきた。母親亡くなったん知らはらへんからね。休憩のとき、わたいのところに来てくださって、母親のこととかちょっとお話。先生のコンサートへは一人で行ったことはなかった、かな? 10年前といやぁ、もう一人歩きはしていたが、ほとんど近所を散歩程度。割りと近くの映画館に行くくらい。5年前でも落語のために大阪に行きだしたかどうかという頃だ。元々がデイサービスから行ったということもあって、いつも母親と行ってたのだろう。母親、デイサービスの所長やってたし。ということで、この美術館は家から遠くないのだけれど、一人で来たということにちょっと心を動かされはったようだ。
コンサートの最後・・・先生が・・・会場にいる皆さんに・・・わたいを・・・紹介しはった。あ〜〜〜
「後ろの席の車椅子の方は、もうずっと昔からこのコンサートに来てくださってて、ご両親が亡くなったり震災にも遭ったりしてるんですけど、明るく元気に生きてらっしゃいます」
ここでタイトルの「こっぱずかしやの」になる。
はい、間違ってません。わたいは健気で清く正しい人間です。東京のお笑い芸人Hさんは、わたいを汚い人間と褒めてくれるが。この二面性が、わたいの男の魅力の深さだと思う。
帰り、数人の方にお声を掛けていただいた。「がんばってね」「はい、がんばります」
受付で先生のCDを買おうとしたら、先生がお金を取ってくれなかった。このコンサート、収益金がチャリティになるのに、わたいは全然チャリティしていない。あーーー