TORIIの師匠

今まで初演も含めて百ぺらぺん聴かせていただいている「お母ちゃんの笑顔」、それに「子は鎹」。

独演会といっても、正味、師匠お一人ご出演の会なので、そのせいか、凄く間を持たせた高座になっている。その間がゆとり、余裕となって、いつもよりいっそう奥行きを感じさせる。そのスペースを師匠が遊んではる。心地よい。

中入り後、世田谷での鶴瓶噺の一部を再現。師匠とおかみさんの出会いから結婚に至るまでの恋物語。全部聞いたことがあって知ってる話なんだけど、笑えるし泣ける。ラスト、スライドで当時の写真や、結婚の約束の血判状、毎日書き綴られた手紙の文面が映し出される。

何で他人の恋でこんなに泣けるんだ!

感情の震えがわたいにとっての落語。わたいは師匠の落語を聴きに行ってるんじゃないんだ。師匠を聴きに行ってるんだ。師匠が落語だから。