車椅子ロンリーウォーカーのささやかな至福

それは「至福のとき」っちゅう映画を観た日の出来事です。

これ、オイラの好きなチャン・イーモウという監督の映画です。この監督の作品は、初期の頃のは良かったんですよね。色彩感覚が素晴らしいんですよ。色彩といっても、赤。「赤」という色に何か特別な思い入れがあるんでしょうか、大胆に印象的に「赤」を使うんです。タイトルからして「紅いコーリャン」に「紅夢」に「上海ルージュ」と赤、赤、赤でしょ。赤を使わせたら、チャン・イーモウかスペインのマタドールのホセか、言うくらいのもんです。(ホセて誰やねん)

それが近作の「しあわせの三部作」では物足りない。三部作のラスト、この「至福のとき」はストーリー的にも食い足りないんです。初心に返って奮起せよ、チャン・イーモウ! この夏公開予定の「英雄/ヒーロー」という大作に期待しよう。(でも、とんだ一杯食わせもの的タイトルに、やや半信半疑)

この監督の特徴のもう一つは美人女優発掘に長けているということです。今や中国の女優さんはと言えば真っ先に挙げられるコン・リー。そして、可愛い可愛い可愛い・・・、何回言っても言い足りないくらい可愛いチャン・ツィイー。イーモウちゃん、お手柄お手柄。よく探し出してくれました。

至福のとき」でもこの点だけは十分過ぎるくらい満足でした。オーディションに合格して、この作品がデビュー作になるドン・ジエちゃん。ツィイーちゃんに負けず劣らず可愛い可愛い可愛い・・・。あぁ、し・ふ・く、ウフッ。

さて、映画館を出て、神戸の中心街、三宮のセンター街をブラブラしているとき、もう一つの至福がオイラに訪れました。

「これ、どうぞ。・・・、もう一つあげます」 なんと、ティッシュくれたんですね、ポケットティッシュ。おっちゃん、ありがとう!(目、ウルウル) この感激はたぶん、車椅子で一人歩きしてるもんしかわからないと思います。

よく街頭でチラシやポケットティッシュ配ってますね。あれ、オイラ、一度ももらったことがなかったんです。車椅子ロンリーウォーカーなら、たいがい誰もあまりもらえないんじゃないでしょうか。(それとも、もしかしてオイラだけ?・・・イジイジ。どないなん? 同じ立場の方、オセーテ)

チラシは飲食店関係のんが多いんでしょうかねぇ、もおたことないからよう知らんけど、ブツブツ・・・。ティッシュはローン会社のんとかが多いんでしょうか、もおたことないからよう知らんけど、ブツブツ・・・。(恨み節かいっ!) そういう営利企業はオイラみたいな車椅子ロンリーウォーカーを客の対象として認めてないんでしょうかねぇ。オイラだって普通にボチボチお金使ってますよ。経済の循環の一端は微々たるものですが担ってます。

オイラが一番ご立腹なのは某○○○BBというインターネット接続サービス。無料お試しキャンペーンとか言って、よく駅前なんかでノボリ立ててモデム配ってるでしょ、あれ。オイラのとこにも葉書や電話での勧誘は来ました。でもね、街頭キャンペーンし出した初めの頃、手提げ紙袋がたくさん積んであるので「あれは何だ? もしかしてモデムが中に入ってるのか?」と、オイラが指をくわえて数秒眺めてたのに、向こう、明らかにわかってて無視なんすよ。ほんなら電話かけてくんなよ。一回、夕方頃、会社の門の前に立って「ア〜ホ〜〜〜」言うたろか。

という訳で、オイラ、チラシやティッシュをもらうことに憧れを抱いておりました。だから、ティッシュもらってメッサうれしかったんですよー。それがたとえ献血ルームティッシュであっても。

何々、「あるよ、君が誰かにできること・・・献血」かぁ。200mLと400mLがあるんかぁ。そやけど、こんなヤセのガリガリ、くにおとおるのネタやないけど、献血しに行って輸血されるんちゃうやろか。