非子は血祭二日目

生國魂神社に2時に着きました。5時からの奉納落語会を見るためです。受付は3時からですが、どうせ並ばなあかんだろうと思って。毎年、土曜だけ行くのですが、今年はこれがあるため、連日参戦です。落語会は毎年土日ともやってるんですが、階段で2階のため、入ったことがありません。

この日は落語会といっても落語はしません。映画大会です。20年前に雀さん師匠が撮った伝説の名作「アルカリ・キッド」と、今年の祭りの実行委員長、あやめさんが八面六臂の活躍で、撮影期間4日で撮り上げた新作映画の上映です。普段、落語会に行き倒しているわたいですので「アルカリ・キッド」は、いっぺんは観とかなあかんでしょう。また、あやめさんのは、鶴瓶師匠もちょこっと出てはるようですし、見逃すわけにはいきません。階段を上げてもらうのも、祭りだから人手はあると思って。

「アルカリ・キッド」1と2、あやめさんの「あなたのためならどこまでも」この3本でお腹パンパンの満腹になりました。「アルカリ〜」は噂に違わぬ傑作でした。雀さん師匠は日本のエド・ウッドです。あの空気感はなかなか出るものではありません。みんな、毛ぇフサフサやしぃ。それに、O先生の真の一面も拝見できました。中村歌右衛門ばりの名演技には、気を失ってしまうほど惚れ直しました。

「あなたの〜」は、制作期間は超短いですが、そんなことを微塵も感じさせない充実した作品でした。もちろん、鶴瓶師匠もそうですが、あれだけたくさんの出演者の噺家さん方が、それぞれおいしいところを持っていくというのは、あやめさんの才覚と周囲の噺家さん方のあやめさんへの信頼があってのことです。これは絶対にお勧めです。いつか繁昌亭での上映もあるでしょう。必見です。

映画が終わり、フィナーレを見にステージへ。当然、何重もの人垣で車椅子だとステージ上が全然見えませんでした。聞くだけです。協会会長と副会長のそろい踏みです。そこにベロベロに酔わはった、来年の実行委員長のざこば師匠が登場。鶴瓶師匠にキスを強要。会長もざこば師匠とキスをさせられましたが、我が鶴瓶師匠は自分から3、4度ディープキスを。あの場を収拾させるにはそれしかないですもんね。役どころをわきまえた立派なディープキスでした。

そういえば、土曜も誰かと誰かのディープキスを目撃しました。ディープキスは崇高で偉大だと悟った今年の非子は血祭でした。

まともなレポートだ。おばはんがいなければ、わたいも真っ当な人間になれるのだ。

土曜におばはんが「2時なんかで入れるか!1時には並べ、1時に!ヒック」とビール片手にのたまっていたが、信用しなくてよかった。結局、この映画会は並ばなくても入れたのだけど、もし並ばなあかん会でも、1時に行かんでもええのではないかと思う。クソ暑い中、2時間も並ぶのは、並大抵の気力と体力ではできない。おばはんはわたいを干ぼしにする気だったんだろうか。恐ろしい話だ。いい勉強になった。

土曜、わたいの車椅子の後ろのカゴに、おばはんは自分の買いもんを置き忘れて帰った。人がいっぱいなので、日曜、会えるかどうかわからないし、できるだけ極力避けたいという気が十二分にあった。で、会わずに渡せる方法をひねり出した。火事場の馬鹿力、窮鼠猫を咬むだ。慣用句の使い方はたぶん間違ってはいるが、それくらい切羽詰まっていた。それで、ブツの引き渡し方法を打ち合わせしなくてはならない。

初めておばはんのケータイにメールを入れた。すぐにわたいのPCに返事が返ってきた。・・・ようだ? その返信メールがどこにあるのか見当たらない。

あった! PCが勝手に迷惑メールフォルダに振り分けたのだ。どや、この的確な判断能力。わたいのPCはかなりの優れものだ。