妖怪人間

「早く人間になりた〜い」と言っているが、あれはどうなんだろうか。

あの3人組がいつも退治しているのは、だいたい人間を襲う悪霊だ。そもそも悪霊に力で対抗するのも、どんなものかとも思う。祈って拝んで、魂を浄化させるのが本筋なのではないか。ステッキで「えぃ、やっ!」と打ち負かすというのは、ゲゲゲの鬼太郎の歌の歌詞にもあるように、お化けは死なないのだからおかしいと思う。

まぁ、それはいいとしよう。ベムには超能力というか、神通力というか、何かそういうものがあるのだろう。悪さをする悪霊の活動を封じ込めているのだろう。

それが、人間となったらどうなるか。途端に強くなくなる。ただのガタイのいい、スキンヘッドの顔色の悪い男になり、ただの五輪真弓さんになり、ただの桂文華さんになる。いや、別に五輪真弓さんや桂文華さんになるのが悪いと言っているのではない。あの3人組が弱くなると、都合が悪い事態になるのではないだろうか。

妖怪人間でなくなるのだから、超能力はなくなる。すると、今まで倒してきた悪霊の動きを封じ込めていたお札をはがすような結果になるのではないか。さんざんな目に遭わされてきた悪霊たちの恨みは並々ならないものだろう。お礼まいりは必至だ。3人組はすぐに取り殺されるだろう。

妖怪人間のその容貌から世間の風当たりはきついだろうが、ここは一つ、こらえて辛抱するしかないと思う。

頑張ってください。

夜中にわたいはこんなことまで心配している。