酔っ払い

難波に落語を聴きに行く。地下鉄のなんばは改札出て地上に出るエレベーターが無数にある。いや、当然、無数ではないけれど、そう感じるほどたくさんある。
いつも使うエレベーターはその内の2基。ワッハとか千日前通の南側に行くときは難波御堂筋ビル、トリイホールとか北側へは南OSプラザのエレベーターを使う。北側も難波御堂筋ビルから行ってもいいのだが、雨のときなどはOSの方が地下のなんばウォークを通るので断然濡れない。
この日はOSから行く。帰りもOSから下りればいいのだが、ちょっと寄り道して、巨大カニや巨大フグの辺を徘徊。なぜ徘徊したかというと、前日、コンビニのかんと煮きの玉子を儲けたから。なんのこっちゃ。いや、かんと煮きの具六つ買うたのに、玉子がレシートに付いてなかったのです。ラッキーです。それで太っ腹になったわたいは、フグ寿司を買いに。玉子1個儲けたからフグというのは理論上、計算に合わんのやが、気ぃのもんです、気ぃのもん。
フグの握り、千四百なんぼ! 躊躇。チューチョ・バルデスというラテンジャズ奏者がいたっけ。それがどないしたんや! どうもしません。話は戻り、千四百円で腹一杯になったらまだいいが、握り六貫だもん。まだ他に買わなあかんしね。てつきゅう巻が八百なんぼ。フグと胡瓜の巻寿司ね。これやったら、まぁ何とかいけるかと思い、買おうとも思たんだけど、せっかく徘徊してきたんだし、ほんならもう、清水の舞台から飛び降りたつもりで、いっそ握りを・・・買わんと、てつきゅうも買わんと、ひやかしだけで素通りした。
そこからOSに戻らんと、難波御堂筋ビルに。このビル、入り口に一段段差がある。車椅子は、横手のスロープから。が、そのスロープを酔っ払いのおっさんが占拠。へべれけ。座り込んでケータイかけてる。ちょっとどいてくれと要求したが無視。もう一度言ったら、やっぱり無視はしているが、何やらうるさそうにしている空気。ちょっとしてケータイを切る。どくんかと思たがどかない。怪しい空気。絡まれたらかなわん。「困ったなぁ」と小さく呟き、逃げた。向こう、へべれけやから追っかけては来ん。
地下に下りるエレベーターはようけあるが、どこにあるかわからない。しゃーないから、わかってるOSへ。行ったり来たりですわ。徘徊せなかったらよかった。
ほんで梅田から阪神で。わたいの後から乗ってきたおっさんが、これがまたへべれけ。誰も座っていない7人掛け?の座席にいきなりバタンキュー。(「バタンキュー」て死語ね。古語辞典に載ってる?)
そうとうなおっさんだ。倒れこんだ途端、体痙攣、両手痙攣、足踏み鳴らし、奇声、顔見たら、アブナイ!人5、6人殺してきたような鬼気迫る、ろうそく2本、角みたいに頭に付けてライフル持って走り回ったらとてもよく似合いそうな顔だ。服装は普通のスーツ姿なんやが。なんかいやことがあったのか? 普段、しらふのときはメチャ気の弱い人なのかもしれないなぁ、急性アルコール中毒一歩手前やったらえらいこっちゃなぁと思いつつも、絶対目は合わせられない。幸い、すぐに眠りに入ってくれた。ほっ。これで何事もなく終わるか。
そこに駅員はん登場。当然、この人はおっさんが普通に酔って寝ていると思っているわけで、あの痙攣、奇声、鬼面を知らないわけで、当然起こして注意をする。もし知っていても注意しなくてはいけないが、それなら知らない方が花なんだろうなぁ。「そっとしといたげて」と心の中で呟く。
ここからは音声のみ。そんなもん、場景を見る勇気なし。
はい、奇声はありました。まっ、それだけ。駅員はんが立ち去った後、数分して恐る恐る様子を視界に入れたら、おとなしく座って眠っておりました。
とにかく結論です。人騒がせな酔っ払いはダメです。人の通り道をふさいだり、奇声を発したり、それに、これはもってのほかだけど、決して、道に寝っ転がって、道行く知らない心優しき人に助け起こされるということはないように。(去年の10月7日の日記参照)