明けましておめでとうございます

tanich2008-01-01

今年もよろしくお願いします。
で、三題年賀状UPします。いちおう自分で設定した決め事はクリアしてるのですが、年賀状で三題噺をするのは、まぁ無理があると、やっと悟った次第です。・・・アタリマエ?
正月吉例三題年賀状
本年も昨年に引き続き、またあのアホな企画をしてしまいました。昨12月にネットで皆様からお題を募り、年の瀬のお忙しい中、本年は林家染雀師匠に、中から三つ選んでいただきました。「小次郎」「偽装」「絶体絶命」を織り込んで何やら繰り広げます。昨年の出来に納得行かないので雪辱します。雪辱できるのか?それは聞かないで。
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小次郎は思案していた。強い武蔵に勝つにはどうしたらいいか。そこで、今まで武蔵と戦った剣客に、武蔵の弱点を指南してもらおうと思った。ところが、誰を訪ねたらいいかわからない。小次郎は、吉川英治はおろかバガボンドも読んでいなかった。普通だったら、真っ先に一乗寺下り松の決戦の吉岡一門のところに行きそうなものだが、吉岡一門を知らないのだから仕方がない。そこで、なぜか一人だけ知っていた梅軒の元へ向かった。(私、本当に時代物には疎いんです)
●梅軒殿、遊びましょ▲何用でござる●武蔵の弱点、わかる?▲わ、わからぬ●どうして?戦ったんでしょ▲あまりにも呆気なく負けてしまったのでな。いや、武器の鎖鎌を持っていくのを忘れてしまったのじゃ●えーーー、アホ!で、どうしたの▲もう絶体絶命になった拙者は中華料理屋に出前を頼んだ●はぁ?▲かに玉を頼んで武蔵の前で食った●何をおっしゃってるの?▲いや、食うかに玉、くかにたま、くかりかま、くさりがま、ばんざい、ばんざい!で、武蔵が笑った隙にかに玉投げつけて逃げよと思ったんじゃが、武蔵はクスリとも笑わず、それで敗れた●あほらし
小次郎を虚脱感が襲った。そして、かに玉、かに玉と聞くうち、空腹にも陥った。その小次郎の目の前に一軒の食堂が。奇遇にも武蔵が店長の店のようだ。小次郎は空腹を満たしがてら、店員に店長の人となりを聞いて武蔵の弱点を探ることにした。だが、その目論見はもろくも崩れ去った。宮本武蔵の店だと思っていたが実は「宮本むなし」だった。武蔵とは直接関係のない食堂チェーン店だ。自分の早合点を棚に上げ、偽装?と憤った小次郎だった。
巌流島の決闘当日、12月31日(ホンマか?)武蔵は現れなかった。遅刻にも程がある。武蔵が島に着いたのは翌早朝だった。
■小次郎やぶれたり●ごっつい遅れといて、いきなりなんですのいな。第一、まだ刀の鞘捨ててないし■いや、袖のとこ破れてるようって●あっホンマや!舟に釘でも出てて引っ掛けたんかな?そんなんどうでもいい。行くぞ、武蔵!■来い、小次郎!●あっ、眩しい!初日の出が海面に反射する■えっ、初日の出だと!毎年きっと初日の出には手を合わせて拝むのじゃぞとおばあちゃんがいつも言ってた
武蔵は踵を返し、水平線の朝日に合掌礼拝。それを見ていた小次郎も清々しい心地になり、武蔵といっしょに合掌。島は平和な空気に包まれた。