オイ、鬼太郎

「私が針金ハンガーの代わりになったげる」とか言うてくれる、心根の優しい、殊勝な、天使のような純真な君(きみ)は、わたいの周りにおらんのかぁー−−!

世知辛い、情の薄い年の瀬だ。(真夏やないかいっ!いや、心の中は凍えるブリザードだ)

日曜朝放送されてる「ゲゲゲの鬼太郎」をチラッと見た。な、な、な、なんだ、あれは!!!

八頭身の鬼太郎!? ウェンツのアニメ版か!

猫娘も針金ハンガーの代わりになってほしいくらいの美形だ。

数ヶ月前まで深夜に「墓場鬼太郎」が放送されていた。「ゲゲゲの鬼太郎」の原型となる漫画のアニメ化だ。この漫画本、わたいが子供のとき、家にあったのだ。いつの間にかなくなった。引越しのとき、ほったのか。10年ちょっと前、美術館で「水木しげる展」があって、その漫画本が展示されていた。ちゅうことは、この本、値打ちがあったのだ。惜しいことをした・・・ちゅうことは、この際、関係ない。

墓場鬼太郎」は少年雑誌に連載される前の貸本時代の漫画で、ストーリーも絵の調子もとにかくおどろおどろしい。鬼太郎の顔もずるそうな顔で、とても可愛いという代物ではない。一般的にイメージする鬼太郎の顔に程遠い。(八頭身鬼太郎の顔も逆の意味で程遠いが)キャラクターも世間擦れしてるといおうか、生活に困って、金貸しの取立て屋などもする。(ねずみ男は顔もキャラクターもほとんど変わらない。ねずみ男は潔い)社会性のある漫画で、水木先生のメッセージが随所に込められていた。

それをできるだけ忠実にアニメ化。わたいは好きだったんだけどね。まっ、日曜の朝から、そこまで原点に戻れとは言わんが、あそこまでイケメンの鬼太郎はどうもね。別に鬼太郎というキャラでなくても、新しいアニメキャラでもいいような気がし、鬼太郎が鬼太郎でなくなった気が、おっさんはするのである。ネームバリューが大きいというのも、おっさんにとっては痛し痒し。

世知辛い世の中だ。