奈良へ
日曜日、奈良へ。子供のとき、家からドリームランドへとか、学校から大仏さん見学はあるが、一人で行くのは初めて。なんせ、年は年だが、一人歩き歴は浅いもんで。京都までと時間は変わらんね。
もし、元気になって帰ってこられてたら、一度はお会いしてただろうしね。だから、お会いしに。
親御さん、お友達が子供のときからの写真を明るく綺麗に展示してはった。その中のきみは、どれも本当に楽しそうだった。人生に長短はそんなに意味がないんだと、そう思いたい。
自分も、周りのもんにこれだけ明るく送ってもらえるだろうか。ちょっと嫉妬する。
渡米してきみが作ったカレンダー、手術までの日を1日1日消していったカレンダー、きみがいなくなってからお父様が消すのを引き継いだカレンダーの展示の前で親御さんにお声をかけていただいた。ちょっとウルッと来た。
お会いしたばかりだけど、しようがないね。行ってらっしゃい。
帰り、奈良に来たんだから鹿を見る。車椅子だから、びっくりさせてもなんだから、そんなには近寄らなかった。角でつつかれなくてよかった。恐かったら、わざわざ見にいかんでも・・・。
五重塔も見た。わたいは五十だ。ほっとけ! ことわっておくが、現場では叫んでいない。
猿沢の池も見たかったが、車止めの石の杭の間隔が狭かったのでやめた。もちろん遠回りしたら行けるんだろうけど。おっちらおっちら行きよって、川上屋の後家はんに見つかったら、顔引っかかれるし。
また、鹿発見。坂道でうずくまってる。と思ったら、おじいがしゃがんで草をむしっていた。恐るべし、古都の雅。
奈良といえば奈良漬だと、うちの町内でもっぱらの噂なので、半切り690円を買って帰った。
割に遅く行ったので、帰りの電車は日が暮れていた。生駒の山肌から車窓に見える大阪の夜景は絶品だ。中国人男女三方もしきりにデジカメでカシャカシャ撮ってはった。