マッド・ホイールチェアの反乱

操作部に水が入ったのが車椅子の故障の原因ではなさそうだ。もし、それが原因だったら、4ヶ月前のように操作部を修理の期間だけ代わりの物に換えたらいい。ほたら、昨日の喬太郎さん、今日の小朝師匠の会を泣く泣くパスせんで済んだのに。たぶん、小朝師匠、一席は古典をたっぷり聴かせてくれただろうに。関西で師匠の古典を聴く機会はそんなに多くないので、一回でも聴き逃すのは惜しい。次は5月の神戸だ。

水曜に故障してから何も触ってないのに、電源が入るようになったのだ。ただ、座席部分の下にあるメインコンピューターから「カチカチ」と音がする。そして、今はその「カチカチ」も消えている。いわば、正常に動くわけだ。これは「直ったよ。どこか行こう」という悪魔のささやきだ。見くびってもらっては困る。わたいはそんな子供だましに乗るような甘ちゃんではない。

こんなん、正常だけど異常でしょ。何も触ってないんだから。気色悪ぅて乗っとれんよ。また、いつ誤動作するかわからんのだし。スイッチが入らなくなるだけなら、まだ周りの人に泣きつけばいいが(それも十分傍迷惑な話だが)もし横断歩道を渡ってるときに突然止まりでもしたら事故起こるよ。

業者さんによると、正常に動いている状態ではどこが悪いのか調べるのが難しいらしい。これがハイテク機器の泣き所。昔のローテクだったら、どこの配線が切れてるとか、そういう単純なことが原因の場合が多かったので、すぐに究明できたんだけど。

ハイテクなんかいらんねん。しょっちゅうしょっちゅう故障するしね。前に使ってた車椅子、10年間、何のトラブルもなしやで。機械類は当たり外れがあるが、ここまで当たりも珍しいだろうけど。

メインコンピューターは強い衝撃でイカレポンチになることがあるらしい。そらまぁ、わたいもスカートはいて自転車こいでこちらに向かってくるおねえさんに目を盗られて、街灯にぶつかったこともあるが。車椅子に座っていると目線が低いでしょ。見る気がなくても見えるのよ・・・あっ、言うてもた!

しかし、電動車椅子サッカーという競技があるんだけど、あれはどうなるんだろうか。けっこう車椅子同士、バンバンぶつかっているが、あれは本当はやってはいけない競技なんだろうか。わたいはやったことはないけどね。人とぶつかるのはわたいの趣味でない。温厚を絵に描いたような男だ。

操作部の操縦桿の根元の部分にごくわずかなずれがあったら、そこからメインコンピューターに送られる信号が通常の状態でなくなり、それでメインコンピューターが誤動作することも考えられるとかで、そこも調べてもらっているが、とりあえずはメインコンピューターを取り換えるまでは、わたいは身動きとれない状況だ。激励してください。