落語JAZZ

日曜日、繁昌亭にて聴く。

personnel:林家花丸(噺)、唐口一之(tp)、橋本裕(g)、西川サトシ(b)、北岡進(ds)

演目は「七度狐」

落語とJAZZの融合。口演している横で、噺の場面場面に合わせたJAZZ演奏を入れる。

落語を聴いているというより、映画を観ている気がした。「死刑台のエレベーター」のマイルス・デイヴィスを連想。「七度狐」はベストな選択だと思う。動きも大きく、場面転換も多い。登場人物も多いし、とりわけ、スリル&サスペンスに富んでいる噺だ。会話場面が主な噺では、落語JAZZという形態は成立しないだろう。スリル&サスペンス+トランペットという組み合わせが「死刑台のエレベーター」を想わせたのだろうか。

銀幕のない活動弁士と楽団? ではないな。形は、一本の映画を一人芝居と歌で演じる、趙博さんの「歌うキネマ」に近いか。花丸さんも歌がお上手なのだから、JAZZ版伊勢音頭でも歌わはったらよかったのに。

日が暮れた暗い山肌の崖の細い道を喜六清八が行く件で、カラスやらの動物の鳴き声を楽器に鳴らしてもらうクスグリは落語JAZZならではだ。こういう落語JAZZにしかできない見せ場は、まだ他にも隠れているような気がする。

今回は最初ということもあって、落語とJAZZというコンセプトを明確にするために古典落語を取り上げはったのだろうけれど、落語JAZZという形式が認知されたら、そのときは落語JAZZのために作られた根多を演じるのも面白い。落語という枠組みはそんなに意識しないでもいいようにも思う。

落語JAZZという形式がわたいは好きだ。まだまだ進化する奥行きがある。芸能のヌーヴェルヴァーグだ。